彼女が来なくなって暫くして、アタシはお店を移転し、客層も随分変わり、彼女のこともすっかり忘れていたある日

とあるデパ地下を歩いていたら・・・
「ママ!!」ってアタシを呼ぶ声がしたの。

振り返ると、惣菜コーナーのカウンターに彼女がいたのよ。

相変わらずお綺麗だったけれど、少し目元のシワも増えていて“おばさん”ってな感じになっていたわ。

でもね、白衣で惣菜を売るその姿は、出会い系にハマっていた頃の彼女より、ずっと輝いていたの。

「あぁ、良かったぁ~。」と、また心の中で呟いたわ。

繰り返すけれど、アタシは出会い系は“悪”でも“ふしだら”でもないと思うの。
でも、常習性があることは事実。

薬物もそうでしょう?
残念なことに、今は芸能人や大学生が次々に逮捕されているわよね。
その人達も、きっと“一回だけ”・・・のつもりだったはず。

中高生の頃、体育館の裏で吸う煙草が“蜜の味”だったように、いけないと解っているからやりたくなるのよね。

“理性”・・・これだけは無くしたらおしまい。

出会い系にアクセスするのも、出会った相手とエッチするのも、なんら罪ではないけれど、

“理性を失う”ことは、自分にとって罪だとアタシは思うな。

出会い系にハマり、理性を失っている時は「どんなイイ男(女)なんだろう?」「どんなエッチをするんだろう?」と、良いことばかり妄想して、出会う相手が凶暴だったり、病気持ちだったり、その背後に犯罪が潜んでいるかもしれないということは、忘れてしまっているから。

これは、“自分を大切にしない”という罪じゃないかしら?

何事も“使いよう”・・・気を付けましょうねっ!!

出会い系にハマった或る女のお話  おしまい

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